年間売上80億ドル超を誇るIngredion社は、世界120か国以上で18,000社を超える顧客にサービスを提供しています。本社をイリノイ州に置く同社は、穀物、果実、野菜、その他植物由来の原料を、食品、飲料、動物栄養、醸造、工業分野向けの付加価値の高い原料ソリューションへと変換する、世界有数の原料ソリューションプロバイダーです。
成功事例
Ingredion社
需要計画、供給計画、フルフィルメント、S&OP
デジタルプランニングと自動化により、Ingredion社の予測精度とカスタマーサービスの改善
企業概要
ビジネスの課題
Ingredion社では、60の製品セグメントと数千のグローバル顧客にわたり、顧客需要の大きな変動に直面していました。同社には、顧客予測と在庫レベルを管理し、期日どおりに完全納品するという野心的な目標を達成するという課題があったのです。Ingredion社は、既存のデジタルプラットフォームを成熟させてデータの可視性を高め、社内の意思決定を強化したいと考えていました。そこで導入促進と活用度の向上に注力し、プラットフォームからより高い価値を引き出す取り組みを進めました。
ソリューション
2019年、Ingredion社はBlue Yonderの需要計画、供給計画、フルフィルメント、販売・事業計画（S&OP）をグローバル事業全体に導入しました。これらはすべて、Microsoft Azureを搭載したBlue Yonderプラットフォーム上で実行されています。この導入とデジタル機能への多額の投資により、Ingredion社はシステムから多大な価値を引き出すことができました。2023年までに、同社はグローバル在庫を16％削減し、需要予測精度を2％向上させるとともに、カスタマーサービスレベルを大幅に改善するなど、目に見える成果を実現しました。
「現在、私たちはすべての顧客需要を即座に把握できるようになっています。社内における原材料の流れを明確に可視化し、ネットワーク全体におけるリソースの活用状況が一目で分かるようになりました。これにより、ネットワークの最適化の機会を見いだし、効率性の向上だけでなく、カスタマーサービスの改善にもつなげることができます。」
–Ingredion社グローバルセンターオブエクセレンスおよびカスタマーインサイト担当シニアマネージャー、Vin Carneiro氏
Ingredion社がサプライチェーンのグローバルプランニングを最適化した方法
変動の激しい需要に対し、供給を正確に一致させるために在庫を最適化するのは困難なことですが、世界120か国の18,000社の顧客にサービスを提供するため、60の多様なセグメントにわたって何千もの製品を生産する場合は、特に困難を極めます。これは2023年時点のIngredion社の姿でした。
同社のプランナーは、リアルタイムデータにアクセスして分析し、需要の変動をいち早く察知した上で、予測、供給および在庫計画、販売・オペレーション計画を即座に再調整する必要があると認識していました。
Blue Yonderのセンターオブエクセレンス（COE）は、Ingredion社が新設したグローバルデジタルオペレーションチームと連携し、部門横断的かつ地域横断的な強固な協働を実現する可視化ツールの開発に円滑に取り組みました。これにより、卓越した実行力が発揮されました。また、この取り組みにはBlue Yonderのソリューションも不可欠であり、高速から低速までの幅広い在庫回転速度、ならびに制約の多い特殊資産や倉庫スペースなど、数多くの複雑な要件に対応する必要がありました。
主なメリット
2023年、Ingredion社は、需要予測精度の2％向上や、グローバル在庫レベルの16％削減など、いくつもの明確な成果を得ました。さらに、戦略的な調達プロセスの見直しを実施し、グローバル全体で大幅なコスト削減を実現しました。可視性の向上は、Ingredion社のサービスレベルの改善にもつながり、グループ会社向けのサービスレベルは30％向上、国内顧客向けのサービスレベルも15％改善されました。
「Blue Yonderとのパートナーシップは、私たちにとって非常に価値のあるものです。そのソリューションは、需要計画、サプライチェーンの可視化、インベントリ最適化へのアプローチを近代化するのに役立ちました。Blue Yonderのチームは、私たちの成功を本当に気にかけており、当社の満足に対して揺るぎないコミットメントを示しています」とCarneiro氏は述べています。
これらの迅速な成果は、Ingredion社のデジタル変革の成功を証明するものです。Blue Yonderのレポーティングおよび分析機能は、可視性を高め、変化する状況へのインサイトを提供し、主要業績評価指標（KPI）の追跡を支援しています。Ingredion社は、より大規模なデータを効率的に分析できるようになり、プランナーはオペレーションにおける傾向、パターン、潜在的リスクをこれまでよりも迅速に特定できるようになりました。
また、同社は自社内で機械学習による予測モデルの開発を進めている初期段階で、将来的にそれをBlue Yonderと統合することを期待しています。また、Ingredion社はBlue Yonderの認知型計画ソリューションの機能を活用し、需給計画を次の段階へと進化させる取り組みを進めています。どのような未来が訪れようとも、Ingredion社は成功のための確かな方程式を持っています。
